虫歯にならないためにできること 細菌編
こんにちは。
今日は虫歯にならないためにできることのうち、細菌についてです。
虫歯になる要因には、宿主、細菌、食物、時間の4つがあると以前のブログでお話しました。
このうち細菌とは、虫歯の原因となる細菌の量や質、種類のことです。
細菌の量や質、種類は人によって差があり、この差によってその人の虫歯のなりやすさは大きく変わってきます。
日々のケアの仕方やちょっとした注意で細菌の量を減らしたり質を変えることはできるので、ぜひ読んでみてください。
虫歯菌とは
人の口腔内には様々な菌が住み着いており、その中の特定の菌が虫歯を作ります。
主なものにストレプトコッカス・ミュータンス、ストレプトコッカス・ソブリナス、ラクトバチルスなどがあります。
ミュータンス菌が虫歯を作り、ソブリナス菌がプラーク形成により菌の付着を助長し、ラクトバチルス菌が虫歯の進行を大きくしていく、というイメージです。
虫歯菌が虫歯を作るプロセス
虫歯菌は砂糖などから酸を産生して歯を溶かし、虫歯を作ります。
しかし通常は酸を産生しても唾液により歯を溶かす前に洗い流されてしまいます。
この唾液の影響を受けないために、虫歯菌はグルカンというネバネバした物質を産生しこれが歯に付着することでプラークを形成します。
歯に付着したプラークの中は唾液の影響を受けにくく、中で虫歯菌はどんどん増えて酸を産生し歯を溶かし虫歯を作っていくのです。
虫歯菌を減らすために
虫歯菌は生まれたばかりの赤ちゃんの口腔内には存在しません。
食器の共有やキス、近距離でしゃべったりすることで唾液や飛沫に乗り徐々に赤ちゃんの口腔内に感染ってくるのです。
食器の共有は防ぐことができますが、スキンシップでのキスや近距離での会話を避けるのは現実的ではありません。
そのためまずはご両親の口腔内をできるだけきれいにしておくことが大切です。
虫歯がある人は虫歯の治療をする、定期的に歯科医院でクリーニングを受けるなどして自分の口腔内の虫歯菌の数を減らしておきましょう。
だいたい3歳ごろまでにその子の口腔内の細菌叢は形成されます。
一度細菌叢が形成されるとその後他の菌が入ってきても増殖せず細菌叢は変わらないという性質があるため、口腔内に有益な菌(乳酸菌など)が入った歯磨き粉を使い虫歯菌が定着する前に他の菌を定着させるという方法もあります。
大人は細菌叢を変化させることは難しいですが、家での歯磨きや定期的な歯科医院でのクリーニングで虫歯菌を減らしたり、キシリトールを継続的に摂取することで虫歯菌の質を弱くすることができます。
細菌の要因の他にも他の記事で書いている宿主、食物、時間の要因をコントロールすることで虫歯は減らせるので、ぜひ参考にしてみてください。