酸と歯の関係
こんにちは。
今日は酸と歯の関係についてお話していきます。
当院ではマウスピース矯正を行っているため、矯正中の飲食について患者さんに注意事項の説明をしております。
食事をするときはマウスピースを外し、飲み物も水、お茶、牛乳以外はマウスピースを外して飲んでもらいます。
このとき、炭酸水は大丈夫ですか?と聞かれることが意外と多いので今回は酸と虫歯の関係についてお話していきます。
pHと歯の関係
炭酸水はほぼ水のようなものだし、砂糖も入っていないから大丈夫なのでは?と思うかもしれません。
しかし炭酸水は酸性のため、歯にはよくありません。酸は歯を溶かしてしまいます。
酸性度を表すものにpHというものがあります。
pHは0〜14まで分かれており、pH7が中性、7より低いほど酸性度が高く、反対に7より高いとアルカリ性になります。
通常、お口の中のpHは6.8〜7の中性です。
食べたり飲んだりすると食物飲料の酸や口腔内細菌が出す酸により、お口の中が酸性に傾き、歯からミネラル成分が溶け出しやすい状態になります。
pHが5.5より低くなると脱灰といい歯のエナメル質が溶け始めていきます。
通常はお口の中のpHが酸性に傾き歯が脱灰しても、唾液の作用により中性に戻り再石灰化という歯の修復が起こります。
再石灰化の速度は唾液の量や質にもよりますが、だいたい40分ほどかかるそうです。
この再石灰化が間に合わないほど頻繁に飲んだり食べたりしているとどんどんと歯が溶けていくのです。
マウスピース矯正中の人は要注意
マウスピースを付けていない人が炭酸水を普通に飲む分にはすぐに再石灰化が起きるのでほとんど影響はありません。
しかし、マウスピースを付けたまま飲んでしまうとマウスピースと歯の間に炭酸水が溜まり歯がずっと炭酸水に浸かった状態になってしまいます。
そのため、マウスピース矯正中の方は酸性度の高いものを飲むときはマウスピースを外して飲み、できれば普通のお水で口の中をゆすいで中性に戻してからマウスピースを付けるようにしてください。
マウスピース矯正していない人も
マウスピースを付けていない人でも、頻繁に飲んでいるとやはり歯にはよくありません。
特に就寝中は唾液の量が減るため、再石灰化が起こりにくくなっています。
そのため就寝前に酸性度の高いものを飲むのは気を付けましょう。
他に酸性度の高いものとして、レモン水、お酢なども注意です。
砂糖が入っていなくてこれらの飲み物も酸性度は高いので、長時間歯が浸かっていると溶けていってしまいます。
飲んだあとはしっかり間隔を開けて再石灰化する時間を歯に与えてあげたり、水でゆすいで口の中を中性に戻したりして上手く飲んでいきましょう。